ジュニアNISAでダブルインバースはなぜダメなのか

先週、ジュニアNISAの週刊買付ランキングの第1位がネクストファンズ日経平均ダブルインバースインデックス連動型上場投信だと話題になっていました。

ダブルインバースインデックスをジュニアNISAの運用商品に取り入れるのがナンセンスだということです。

最近、ダブルインバースなどレバレッジ型のETFが人気だそうです。

ダブルインバースとは?

ブルとベア

ブル・ベアとは、相場の強気・弱気を示す言葉です。

ブル(Bull)は強気のことで、雄牛が角が上向きなことから相場が上昇していることを表します。

これに対し、ベア(Bear)は弱気のことで、熊が背中を丸めている姿から相場が下落していることを表す言葉として使われています。

投資信託では、ブル型、ベア型の商品が販売されていて、ブル型は相場が上昇しているとき、ベア型は相場が下落しているときに利益が出るように設計された商品となっています。

多くの場合、レバレッジのかかる商品設計になっています。

インバース型ETF

今回のインバースとはブル型のことです。

つまり、下落相場で利益が出るETFです。

日々の騰落率を日経平均株価やTOPIXなどの原指数の騰落率の-1倍として計算されたインバース・インデックスという指数に連動します。

インバースとは「逆」という意味で、日経平均株価やTOPIXなどの原指数と反対の値動きをします。

ダブルインバースなら利益が2倍!

インバース型ETFにレバレッジをかけてさらなる利益を狙ったものがダブルインバース型ETFです。

日々の騰落率を日経平均株価やTOPIXなどの原指数の騰落率の-2倍として計算されたダブルインバース・インデックスという指数に連動します。

例えば日経平均株価が「-10%」になれば、ダブルインバース型ETFは「+20%」に、「-20%」になれば「+40%」になるということです。

しかし思惑が外れる結果となった場合、損失も2倍となります。

効果的な使い方

下げ相場で威力を発揮するので、相場の下落を察知したらインバース型ETFを購入してみると下落時に値上がりします。

円高、ニューヨーク・ダウが下がっているときなどにインバース型ETFを仕込みます。

ただし、使いこなすにはこまめな情報収集が必要になります。

インバース型ETFのデメリット

  • 日経平均株価やTOPIXなどの原指数が上がると損をする
  • 長期保有には向かない

例えば、今日の日経平均株価が、前日に比べて2%上昇した場合、2倍のレバレッジ型は4%上昇します。

しかし、長期にわたって値上がり、値下がりを繰り返しているうちに、長期で見た時の連動率が、 ベンチマークである株価インデックスの変動率から乖離していくのです。

よって、マーケットの変動率に対して2倍のレバレッジがかかるタイプは、長期間保有するほどレバレッジの効率が落ちるため、長期保有には向きません。

ジュニアNISAにダブルインバース

ジュニアNISA

ジュニアNISAとは、2016年度から始まった未成年者を対象とした少額投資非課税制度です。

未成年者(0~19歳)を対象に、年間80万円分の非課税投資枠が設定され、株式・投資信託等の配当・譲渡益等が非課税対象となります。

18歳までは原則として非課税での払い出しができないことになっています。

ジュニアNISAにダブルインバースってダメですよね

例えば、あなたが株式相場の下落のサインを察知し、ネクストファンズ日経平均ダブルインバースインデックス連動型上場投信をジュニアNISAで買ったとします。

あなたが狙った通り、日経平均が下がってダブルインバースが値上がりしました。

インバース型ETFは値上がりしてもそれが長く続かないのでさっさと利益を確定したほうがいいのですが・・・。

ジュニアNISAでは18歳まで払い出しができないのですよね?

ガーン!!!!!

それ、ダメなヤツではないですか!

ジュニアNISAではどんな運用をしたらいいのか

インバース型ETFはジュニアNISAでの運用には向かないことはおわかりいただけましたね。

では、ジュニアNISAではどんな運用がいいのでしょうか?

18歳まで払い出しができないので、あまりハイリスクでないバランスファンドがいいと考えます。

ジュニアNISAでは株式やETFも購入できます。

それらを購入してもいいのですが、払い出しができないのでバイアンドホールドで値上がりと配当狙うようなやり方がいいでしょう。