先生、今さらこんなことを聞くのも恥ずかしいんですけど、私、実は投資信託ってどういうものかわからないまま運用しちゃってるんです
そういう人はけっこういるのよね。今から最低限知っておくことを確認しましょうか
iDeCoやNISAの運用で欠かすことができない金融商品が投資信託(ファンド)です。
特に「つみたてNISA」では投資信託だけが運用商品なので、ぜひ活用してほしい金融商品です。
今回は投資信託って聞いたことはあるけれどよくわからないという人のために押さえておきたいポイントをお伝えします。
そもそも投資信託とは?
資産形成の基本は「長期・積立・分散」と言われています。
これは運用のプロでなくても成功するためのセオリーです。
投資信託はこの三つのすべてに関わってくる金融商品ですが、特に「分散」には欠かすことのできないものです。
例えば、株式を1銘柄に集中して投資をした場合、その企業が潰れてしまったらせっかくの資金がゼロになってしまいます。
株式は値動きが激しくハイリスクハイリターンなので、値動きの安定した債券も組み合わせて運用すべきです。
株式の銘柄を何種類も購入するには莫大な資金が必要になります。
また、債券は個人向け国債などもありますが、小口の運用がしにくい金融商品です。
たくさんの銘柄に分けて、さらに株式や債券など資産の種類も複数に投資、となると個人の資金ではなかなか難しいですよね。
そこで、運用をしたい投資家が共同出資をして分散投資をしよう!ということでできたのが投資信託です。
みんなで少しずつお金を出し合って、いろいろな資産に投資をしよう!というわけです。
さらに、運用は知識や経験のあるプロに任せよう!という形が今日の投資信託の特徴の一つです。
投資信託とは「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品で、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みの金融商品」という定義になります。
覚えておきたい投資信託の用語
基準価額
投資信託の値段のことを「基準価額」といいます。
投資信託では、取引単位として「口(くち)」が用いられています。
また、購入時に提示されている価格は、1万口あたりの基準価額が通常となっています。
純資産総額 ÷ 総口数 = 基準価額
※総資産総額=(保有している金融資産+利息や配当-運用コスト)
分配金
分配金は、投資信託が株式や債券に対して投資し、運用して得た収益を、保有口数に応じて投資家に分配するものです。
分配金は、投資信託の財産から支払われます(預貯金の利息のようなものとは違います)。
そのため、分配金が支払われると、「純資産総額」および「基準価額」は下落します。
投資信託の分配金の支払いの方針は、投資信託によってさまざまです。
また、分配金の支払い頻度についても、毎月支払われるものから年1回だけのものまでと、投資信託によってさまざまです。
投資信託で人気の毎月分配型。実はNISAなどの長期投資と相性がよくありません。今回は長期投資で大切な複利運用についてわかりやすくお伝えします。
投資信託の買い方
投資信託は一般的には口数を指定して買います。
通常、1万口以上1万口単位に指定されています。
例えば、1万口あたりの基準価額が15,000円の投資信託を口数指定で2万口購入したい場合の値段は、15,000円×2で30,000円となります。
でも、これだと毎月の積立額が1000円からできるつみたてNISAだと1万口の購入はできませんよね。
大丈夫です。
つみたてNISAなど投資信託の積立てでは100円以上1円単位の金額を指定して積み立てて購入することができます。
インデックスファンドとアクティブファンド
投資信託の分類はいくつかありますが、ここでは運用方針による分類であるインデックスファンドとアクティブファンドについて解説します。
インデックスファンド
日経平均株価、TOPIXなど指数に連動する投資信託です。
例えば、日経平均株価に連動する投資信託なら、対象銘柄全部を購入すればほぼ日経平均株価と同じ運用成績を上げることが期待できます。
日経平均株価、TOPIXなどを平均点のように考え、平均点を目指すファンドなどとも呼ばれます。
このような運用スタイルでは運用に関わるコストも低く抑えられるため、保有時の投資家のコストも低くなるメリットがあります。
アクティブファンド
指数に連動するインデックスファンドに対し、指数を上回る運用成果を目指すのがアクティブファンドです。
インデックスファンドより高コストになるのが普通です。
インデックスファンドとアクティブファンドはどちらがいいの?
言葉尻だけ見ると、指数を上回る運用成果を目指すアクティブファンドがいいように感じますね。
でも、実際には指数を上回るアクティブファンドって少ないのです。
アメリカのアクティブファンドの7割は指数(ベンチマークといいます)を下回っているそうです。
その理由の主なものはやはりアクティブファンドはコストが高いからです。
運用するプロ(ファンドマネージャー)のお給料を払って、銘柄を色々調べて売り買いを頻繁に行うとなると、やはりお金がかかります。
その費用は投資信託の財産から差し引かれますので、運用成績に響くのです。
もちろん、長年ベンチマークを上回っている優秀なアクティブファンドも存在しますが、初心者は無理せずインデックスファンドからスタートするのがおススメめです。
なるほど。初心者はインデックスファンドから始めたほうがいいんですね。さっそくチェックしてみます!