日本全国で超大型の台風の被害が起きたり、ゲリラ豪雨や竜巻の被害は日常的に聞かれるようになりました。
それを受けて今年2019年10月には主要な損害保険会社は火災保険料の値上げに踏み切り、2021年1月にもさらなる値上げが予定されています。
補償内容も大切だけど、保険料もやはり気になる・・・。
そんな時、共済を検討したくなる方も多いでしょう。
今回は、火災保険と火災共済についてお伝えします。
火災保険と火災共済の違い
火災保険は損害保険会社が営利目的に運営している保険です。
これに対し、火災共済は非営利団体が団体の構成員の助け合いを目的に運営しています。
火災保険は補償内容が充実しているのに対し、火災共済は掛金の安さがセールスポイントになっています。
主な共済の補償内容
それでは、主要な共済の補償内容を比較してみましょう。
住まいる共済(全労災)
全労済の「住まいる共済」は火災の最高保障額が6000万円となっているのに対し、風水害は300万円が限度とされています。
これでは自然災害には役に立ちませんので新自然災害共済というのを付帯させることができます。
風水害の最高補償額が標準タイプで3000万円、大型タイプで4500万円となります。
更に地震等の被害に対しても標準タイプで1200万円、大型タイプで1800万円まで支払われます。
ただし、火災共済だけの掛金は安いもの、新自然災害共済を付帯した場合の掛金は民間の火災保険と変わらないか、むしろ高くなります。
また、民間の火災保険には付帯できる外部からの物体の衝突、水濡れなどの補償がありません。
十分な自然災害の補償を付けると保険料が高くなるし、民間の火災保険にはある補償がなかったりするんですよね。
コープ共済
コープ共済の火災共済は全労済の住まいる共済と補償内容、掛金ともほぼ同内容となっています。
都道府県民共済
都道府県民共済の「新型火災共済」は火災や自然災害の他にも車両の衝突や建物外部からの落下・飛来など幅広いバリエーションの補償が用意されています。
けれども都道府県民共済では風水害はあくまで見舞金という取り扱いで、限度額は600万円までと決められています。
昨今の自然災害の増加で民間の保険会社の保険料が上がっているのは、自然災害の補償の必要性を物語っていると思います。
都道府県民共済の補償内容では火災以外の場合の生活再建には役立たないといえます。
自然災害のときにお見舞金程度の補償しか受け取れなかったら掛金が安くても加入する意味はありませんね。
JA共済
JA共済の「建物更生共済むてき」は火災事故の支払い限度額は2000万円までですが、風水害も同様に2000万円まで補償されます。
また、民間の火災保険と同じ水濡れや盗難の補償と1000万円までの地震・津波・噴火等の補償も自動付帯されます。
補償内容の充実したJA共済ですが、その分掛金は民間の火災保険より高くなります。
補償は必要なものとそうでないものが選べるほうがいいですよね。
やはり火災保険をお勧めする理由
掛金の安さが魅力の共済も、安ければ補償内容が不十分だし、補償が充実していれば掛金は高くなります。
やはり、民間の火災保険が安心だというのがマネー・カフェの結論です。
大規模災害の場合に支払い制限がない
あまり知られていませんが、火災共済は大規模災害時には、支払われる共済金額に制限がかかることがあります。
共済金の申請により留保している掛け金がある金額を下回ると、それ以降の申請に対しては一律に数万円程度のお見舞金が出る程度になります。
えー、そうなんですか!?数万円では何の役にも立たないじゃないですか!!
これに対し、民間の火災保険では特に大規模災害時は航空写真などで被害状況が確認されると被災地域全体に迅速に保険金の支払いが行われます。
補償内容を柔軟に決められる
保険会社にもよりますが、民間の火災保険の補償内容は比較的柔軟に選べます。
例えば、住まいる共済の新自然災害共済では水災とその他の自然災害がセットになっていますが、火災保険の場合、水災とその他の自然災害は別々に掛けられます。
そのため、マンションの上層階や高台など水災の危険の少ない建物には水災の補償を付けない選択もできます。
これによって保険料を抑えることが可能になります。
第三機関が損害額を決めるから公正な保険金が受け取れる
火災保険では、必ず第三者機関の鑑定会社が自然災害時の損害額を鑑定するので、より公平な保険金を受取れることが可能です。
ほとんどの共済では、共済の一事業部が鑑定を行なっています。
そのため、どうしても共済側よりの共済金になってしまうことがあります。
つまり、支払いに関して不満を持つ加入者が多いということです。
これに関しては一度ネットで検索してみてください。
これからも大規模な自然災害は起きる前提で火災保険はしっかりしたものに入っておきましょう。