- 住宅ローンの見直しの目的は節約だけでなくローンを定年後に持ち越さないことも大切
- 住宅ローンの借り換えはいつでもできるわけではないため、思い立ったら即実行すべき
- 同じ金融機関の住宅ローンが希望なら「返済条件変更」という選択肢もあり
こんにちは、うりぼうです!
わが家の住宅ローンは変動金利のため、超低金利の恩恵を受け続けてきました。
皆さまの中で、住宅ローンを借りてそのままになっている人はいませんか?
借り換えや繰り上げ返済の効果が見込める場合は、できるだけ早く取り掛かったほうがいいのです。
この記事では住宅ローン相談を100件以上受けてきたベテランFPの私が、住宅ローン見直しの方法やタイミングについて解説します。
住宅ローンを見直したほうがいい人
住宅ローンの見直しは「月々の返済額を減らして家計にゆとりが欲しい」など、家計の見直しの一環として考える人が多いのではないでしょうか。
けれども、住宅ローンを見直すべきなのはそのような人だけではありません。
次のようなケースに当てはまる人は住宅ローンの見直しを考えてください。
返済中のローンの金利が市中の金利より高い
超低金利が続いていることもあり、住宅ローンを組んだときより低い金利のローンがある人は多いのではないでしょうか。
その場合は、借り換えのメリットをシミュレーションしてみましょう。
一般的に借り換えの目安として「ローン残高1000万円以上」「返済期間10年以上」「金利差1%以上」の基準があるといわれています。
この基準を満たしていれば借り換えにかかる諸費用を加味してもメリットがある可能性が高いです。
けれども基準を満たしていない場合でも効果が出ることもあるので、試算だけはしてみることをおすすめします。
今よりも低い金利のローンに借り換えることができれば、ローンの総返済額を抑えることにつながるからです。
現役中に返済が終わらない
住宅ローンを組む際に、月々の返済がラクなように返済期間を最長の35年にしているケースが多く見受けられます。
35年後が定年を過ぎているパターン。FPとしてこれは是非ともやめていただきたいのです。
住宅の業者さんの紹介が多いと思いますが、買ってほしい一心で月々の返済がしやすいように見せかけるやり方です。
「退職金で繰上げ返済すればいいですよ」とか言われたりしていませんか?
退職金制度を廃止したり、継続しても退職金を減額する企業が多い現状で、こんなやり方はないと思うのです。
どんなに返済が大変でも、住宅ローンはなんとか定年までに終わらせるようにしてください。
年金生活者になって住宅ローンを返済するなんて、不可能だと思いませんか?
この場合、資金に余裕があれば繰り上げ返済、なければ借り換えが選択肢となります。
ベテランFPがガチで伝授する家計見直しのポイント決定版! 家計の見直しはまずは保険など固定費の見直しから。 この記事を読めば、あなたもストレスフリーで節約ができるようになります。
【住宅ローンの見直し1】借り換え
繰り返しますが、住宅ローンの借り換えは、残債が1,000万円以上で、返済期間が10年以上あり、借り換え後の金利差が1%以上ならば、メリットがあるといわれています。
借り換えを検討する場合、「タイミング」「時期」についての質問をされることが多いです。
実は、この部分はとても重要なので以下の説明をよく読んでください。
借り換えは銀行の審査が通るうちに
住宅ローンの借り換えには、新規でローンを組んだときと同様に金融機関の審査を受けなくてはなりません。
次のような場合、審査が通らないこともあるため、注意してください。
収入が基準を満たさないとき
どの金融機関にも年収の基準があります。
最初に住宅ローンを組んだときより年収が大きく下がっていませんか?
昨今はコロナ禍の業績不振で給料が下がったり、残業がなくなって残業代がもらえなくなるケースも増えています。
そのような場合こそ住宅ローンの見直しがしたいのですが、あまりに収入が低いとできなくなる場合もあるということです。
転職したとき
住宅ローンでは勤続年数も重要な審査の基準になります。
転職をして新しい会社での勤続年数が1年未満では、ほとんどの場合審査に通ることは難しいでしょう。
勤続年数が短いことは、それほどに個人の信用に影響するのです。
また、会社を辞めて起業する場合などは、事業が軌道に乗っていても借り換えできない可能性が高くなります。
個人事業主と会社員の信用には大きな差があるということです。
団信に加入できない場合
ほとんどの金融機関で、住宅ローンの借り入れには団体信用生命保険の加入を必須にしています。
もし、健康上の理由で団体信用生命保険に加入できなければ、ローンの借り換えはできなくなります。
フラット35は団体信用生命保険の加入を必須条件にしていません。
しかし、団体信用生命保険に加入できないような健康状態なのに無保険でローンを借りていられるでしょうか?
つまり、住宅ローンの借り換えは健康なうちに、ということになります。
借り換えのタイミングは手遅れになる前に
以上のことから、借り換えは思い立ったらすぐに取りかかったほうがいいということがわかります。
転職を考え中の人、業績の悪い会社で働いている人は今のうちに借り換えの準備を始めましょう。
住宅ローンの借り換えは「一括審査申し込み」が便利
住宅ローンの借り換えで、どの銀行が有利になるかを調べるのは大変ですね。
「住宅本舗」の「住宅ローン一括審査申し込み」は115の金融機関の条件を比較して最大6金融機関に1度の入力で審査申し込みができます。
【住宅ローンの見直し2】返済条件変更
住宅ローンの借り換えで金利や毎月の返済額が下がったとしても、借り換えにかかる諸手数料がメリットになる金額を上回る場合があります。
また、借り換えは同じ金融機関ではできません。
しかし、できれば金融機関を変えたくない場合、「返済条件変更」という方法があります。
簡単に言うと、同じ金融機関に金利引き下げ交渉をすることです。
必ず成功するとは限りませんが「金利を下げる相談をしたい」と申し出れば、交渉をすることは可能です。
その際、他の金融機関に借り換えの申し込みをして審査に通った書類などを持参すると有利になるようです。
交渉に成功すれば、住宅ローンの総返済額を減らすことができます。
【住宅ローンの見直し3】繰り上げ返済
手元にまとまった資金があれば、住宅ローンの繰り上げ返済をすることで利息が削減できます。
繰り上げ返済には、毎月の返済額を変えず返済の期間が短くなる「期間短縮型」と、返済期間を変えずに毎月の返済額を減らす「返済額軽減型」があります。
総返済額が少なくなるのは「期間短縮型」ですが、「返済額軽減型」では毎月の家計負担を減らせます。
子どもの教育にお金がかかる時期などは返済額軽減型を選ぶこともアリだと思います。
できれば繰り上げ返済で、住宅ローンを定年までに終わらせるようにしましょう。
住宅ローンの見直しは思い立ったらすぐに実行しよう
住宅ローンの見直しは節約につながるだけでなく、返済を現役中に終わらせる目的もあります。
しかし、住宅ローンの借り換えはいつでもできるわけではないため、思い立ったら即実行すべきです。
タイミングを逃して手遅れにならないようにしましょう。
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