- 「ファイナンシャルプランナーの資格では食べていけない」と言われているが、独立して生計を立てている人もたくさんいる
- ただし、FPの資格を取っただけでは全く稼げない
- どんな資格でも独立するなら事前にビジネスプランを考えておくことが大切
こんにちは、ファイナンシャルプランナーのうりぼうです!
今回は次のような疑問にお答えする記事を書きました。
「FPの資格に興味があるけど、FPの仕事で食べていけるの?」
「FPの仕事の収入源には何があるの?」
FPの資格は他の金融系の資格の中では圧倒的に認知度も高く、有資格者も年々増加しています。それに反して「FPでは食えない」という声も多く聞きます。果たして本当のところはどうなのでしょう?
その答えを独立系FP歴14年の私が、実体験を交えてお伝えしていきます。
FPで食べていくことはできるのか?
「FPで食っていくことはできるのか?」
この質問のFPを独立系FP(企業に所属しないで独立して活動するFP)と想定します。
結論から言うと、食べていくことは可能です。
けれども、「FPでは食べていけない」と思っている人は多いですし、食べていけていないFPが多数存在することも事実です。
ですから、「食べていくことはできるけれども難しい」、が本当のところになります。
FPで食べていくのが難しい理由
FPで生計を立てるのはなぜ難しいのでしょうか。
士業のような独占業務がないから
独占業務とは税理士の税務相談など、法律によってその資格を持つもの以外がやってはいけない業務のことです。
FPの資格には独占業務はありませんし、資格のない人が「ファイナンシャルプランナー」を名乗っても違法にはなりません。
FPの資格や仕事内容の認知度が低いから
FPの有資格者の人数は年々増えていますが、その割には資格を持たない人にFP資格が浸透していません。また、ファイナンシャルプランナーがどんな仕事であるかを知っている人もあまりいません。
もっと言うと「FP=保険屋さん」という刷り込みを持っている人が多いという現実もあります。
日本にはフィーを払って相談する文化が根付いていないから
金融先進国の米国では、ファイナンシャルプランナーというのは資産形成のアドバイザーという認識が持たれていて、一般の個人もフィーを払ってアドバイスを受けることが浸透しています。しかし、日本ではまだまだそこまでいかないのが現実です。
FPの資格を持っている人が収入を得る方法を知らないから
私はFP受験講座の講師をしたことがあります。受講生の中には、ファイナンシャルプランナーになりたいけれど、キャッシュポイントの作り方がわからない、という人が多かったです。
どうやったら相談を受けてくれる人を集められるのか、確かに不安になりますよね。
FPで食べていくことが可能な理由
FPで生計を立てることは簡単ではありませんが、可能です。
その理由の最たるものは、私自身が独立系FPとして生計を立ててきたから。また、私が住む地方都市でも他にFPで生計を立てている人はいるし、少しずつ増えているからです。
もちろん、日本全体ならもっと多くなりますし、中には年収1,000万円以上の方もいらっしゃいます。
ただし、何をキャッシュポイントにするかは人それぞれで、それが独占業務を持たないFPの特色かと思います。
これからFPの必要性は高まる
さらに、コロナ後の社会では個人の資産形成の必要性や、マネーリテラシー向上のニーズが高まることは必至です。
そこで、マネーのプロフェッショナルであるFPの活躍の場は広がることは間違いないと思います。
ただし、資格を取っただけでは仕事にはつながりません。自分ができることを周知させる努力が必要になります。
FPで稼いでいく方法
ここからは具体的にファイナンシャルプランナーが収入を得ていく方法を紹介します。
保険・証券など金融商品の販売
金融機関に属さない独立系FPの中にも、保険や証券の販売の手数料を主な収入源にしている人はたくさんいます。
私は独立前に保険会社で営業職をしていたので、開業後も保険募集の資格はずっとキープしています。また、証券外務員の資格も取って、外務員登録もしています。
独立したての頃は、売り上げの中で保険の手数料の占める割合がそれなりに大きかったです。しかし、保険業界にも大きな変化の波が来ていて、私自身が保険の販売へのモチベーションを失いつつあるのが現状です。
独立系FPの保険提案は中立公正さを求める相談者から一定のニーズがあります。しかし、私としてはどうしてもポジショントークになってしまうのではないかと消極的になるところです。
住宅ローンの取次
住宅資金相談をメインにする独立系FPの場合、モーゲージバンク(住宅ローン専門の金融機関)へ住宅ローンを取り次いで、手数料を得るというビジネスホテルがあります。
モーゲージバンクで扱うのは基本的にフラット35であるため、今の超低金利下で微妙ではないかと個人的には思います。
しかし、住宅資金相談などの専門分野を持って営業していくのはいい方法です。
コンサルタントとしてフィーで稼ぐ
FPの相談料を収入減にする方法です。フィーをメインにする場合、値付けはあまり安いと採算が取れませんし、高いと依頼する人が少なくなってしまいます。
そもそもフィービジネスは無理だと考える人も多いのですが、経験上、私はそんなことはないと思います。
ただ、フィーオンリーでやっていきたいなら、マーケティングや相談料の値決めなどを戦略的にすることが必要です。
セミナー講師
自主開催で有料セミナーを開くのも一つの方法ですが、集客というハードルを越えなくてはなりません。
私がやってきたのは、会計事務所などと提携したセミナーです。
また、講師派遣会社に登録して、企業型確定拠出年金の講師をする方法もあります。採用されるには、オーディションを通る必要がある場合が多いのですが、スキルアップには非常に役立ちます。
その他、FP資格の受験講座の講師なども募集していることがあるので、探してみましょう。
大学や専門学校で非常勤講師として活躍しているFPもいます。日ごろから人脈を作っておくのが声をかけてもらうコツです。
コンテンツ販売
コンテンツ販売は、セミナーを録画したものや電子書籍などを販売することです。今後の伸びが期待できるキャッシュポイントだと思います。
オンラインサロン
LINEグループチャットやFacebookのグループ機能を利用してオンラインサロンを運営する方法もあります。コロナ禍で対面コンサルだけでなくオンラインでのコンサルのニーズが高まってきています。
オンラインサロンは個別のコンサルより気軽に利用できる点でこれから需要が高まると思いますので、興味のある人は運営方法をチェックしましょう。
執筆
FPの資格や専門知識を生かしての執筆は、スタートアップから始められるおすすめのキャッシュポイントです。今は金融情報のウェブサイトが多く、ライター募集も行われています。また、クラウドソーシングに登録すれば、案件を見つけることができます。
私がやってきたこと
私は、独立当初は保険の販売を主な収入源にしていました。
独立前にネットマーケティングを独学で勉強してウェブサイトを自作し、コンサルティングの集客をしていました。狙った検索ワードでは1位を取れていたので、コンサルの集客は地域で1番だったと思います(おそらく今も)。
それ以外に講師派遣会社に登録して確定拠出年金の講師をしていました。この仕事をメインにしているFPさんはけっこう多いのですが、1年中仕事があるわけではなく、2~3月が繁忙期の季節労働のような感じです。職業訓練などでFP受験講座の講師もしました。
最近は執筆が多くなりました。
私の場合、収入が安定しないのが悩みですが、それでも「食えていた」と思っています。
今後は、業務を整理して執筆とコンサル中心に展開していこうと考えています。その他の業務は徐々にやめたいです。
資格に依存する人は何の資格でも稼げません
ということで、FPで「食べていく」ことは可能です。私が独立してから15年近く経っているので周辺環境は変化しましたが、昔より今のほうが独立系で稼ぐチャンスは多いと思います。
けれども、FPの資格は取っただけでは全く稼げません。
でも、それは他の資格も同じ。難易度の高い社会保険労務士なども、資格は取ったけれど稼げない人はたくさんいます。
コロナ禍による不況で、より安定した仕事に就きたいと資格取得を考える人も多いでしょう。しかし、士業の多くは資格を持ってさえいれば稼げるものではありません。
資格を取って独立を考えるのはいいことですが、開業してからのビジネスプランなしにはやらないほうがいいと思います。
それでも、独立しなくてもFPの資格は役に立つので取って損はないと思いますけどね。
FPの資格を取るならフォーサイトの通信講座がおすすめですよ!