以前の記事で、「老後資金準備に個人年金はお勧めしない」と書きました。
個人年金は毎月確実に積み立てられて取り崩しができにくいところは老後資金などの長期の資産形成に向いています。
けれども、円建ての今のパフォーマンスは将来のインフレなどを考えるとおススメはできません。
では、どんな金融商品が老後資金準備に向いているのしょうか?
今回は老後資金準備に向いた金融商品について考えてみます。
老後2000万円問題で個人年金に関心を持つ人が増えています。老後資金の準備は必須ですが、その方法は個人年金でなくiDeCoやNISAのほうがお勧めです。
金利が低いときの資産づくりのコツ
個人年金などの保険商品の特徴はおおむね10年以上の長期で契約されています。
そして、ほとんどの商品が加入時に満期時の受取金額が決まっている、つまり金利が固定で運用されます。
今の円建ての保険商品は予定利率の引き下げで、かなりショボい金利で運用されます。
そして、そのショボい金利は最初から最後まで変わらないのです。
将来のためにと加入した個人年金。
払い込みが終わっても受け取る年金の総額は保険料の合計よりわずかに多いという程度。
途中でもっと条件のよい商品が出て乗り換えたくなっても、途中で解約すれば元本割れ。
個人年金でいけないのは資金を長期間、低金利で縛ることです。
逆に今のような低金利時に適した運用方法とは、
- 短期の金融商品で運用し、金利動向の様子を伺う
- 利率が変動する金融商品を活用する
などです。
具体的な金融商品をご紹介します。
短期の金融商品
SBI債やマネックス債などの社債。
例えば、2019年1月のマネックス債は年利率0.50%(税引前)/ 0.398%(税引後)で、期間は3年でした。
円建ての個人年金を3年で解約すれば、ほぼ元本割れになります。
それに対してマネックス債なら定期預金よりずっと有利な利息が付いて元本割れなし。
3年経って、あまり魅力ある商品がないようなら、また購入すればよいのです。
利率が変動する金融商品
個人向け国債の3年ものと5年ものは固定金利ですが、10年ものは実勢金利に応じて適用利率が変わる変動金利を採用しています。
利払いは年2回ですが、そのたびに利率は見直されます。
さらに1年経てば解約できて、元本割れもありません。
将来の金利上昇にも対応できますので、別の商品に乗り換える必要がありません。
現状、利率はかなり低いのであまり魅力はありませんが、元本割れしないだけでも個人年金より有利だと思います。
もちろん、金利が低いときには株式や投資信託での運用も有効です。
金利が高いときは?
ところで、ワイドという金融商品をご存知ですか?
ワイドとは債券発行銀行が発行する利付金融債(5年)をベースにした商品で金利は満期まで変わらない固定金利でした。
なんと1990年の金利のピーク圏の時の利回りは9.606%の高利回りだったのです。
今では考えられませんね。
こんな高金利であれば、固定金利は大歓迎。
もっと言えば、上がり相場の時には株式ではなく、債券を買ったほうがいいのです。
それができる人がなかなかいないのですが。
※今回の記事では、具体的な金融商品をご紹介しました。これについては情報提供が目的であり、ご購入をお勧めするものではありません。また、結果を保障するものでもありません。ご購入に関してはご自身の判断でお願いします。